台風キズの修理を兼ねた色替え全塗装から2、3年経った頃でしょうか。
再び悪夢が・・・
台風再来(>_<)
車庫ほしい・・・
最近ではここ山口県も、毎年のように沖縄方面からグイーンとカーブを描いた軌道で台風が通過します。
今回の台風のダメージは、ボディー右側面が主だったように記憶しています。
飛来物が当たってこすれた傷と、石はねキズのような小さく深い傷が何か所かありました。
後者のキズは放置しておけばそのうちサビが発生し、塗膜の下でガン細胞のように広がってしまうキズなので
がん治療同様、早期発見&早期治療が大事です。
直径1㎜以下の本当に小さいキズですが
塗膜の段差をなだらかに削り落とす工程で、鋼板の地金が5~10㎝径ほどむきだしになるので
防錆プライマー処理をしてからサーフェイサーを塗り
サフ硬化後に面出しサンディング(削り)作業となります。(※サフ=サーフェイサー)
こういったキズは、見た目は極小なのですが、補修作業としてはなかなか楽観視できません。
面出し作業部位の数に比例して補修時間もかかります。
1パネルあたりの台風キズの数によっては、フェンダーやドアなどでは、ヘコミがなかったとしても交換作業となるケースもあります。
それほど台風キズ修理の防錆と作業工程はあなどれないということです。
と、ここで
サビうんちくのコーナー
※鉄が水や酸素と酸化反応してできる腐食物➡サビ
車を修理する現場で
鋼板の地金に直接サーフェイサーを塗っただけでは、しっかりとした防錆にはならない
ということを意外とこの業界の職人も知らないのが現状です。
「地金?サビ?サフいってるから大丈夫」こう思っている職人さんが大半でしょう。
結論。
ブブーッ✖
錆びますよ。
仕事や自車で実体験で確認済みです。
ましてや、上塗り塗料の鋼板直塗りならなお早くサビが発生します。
そりゃすぐには錆びませんけど。(やらないよりはやったほうがいい)
顕微鏡レベルで見ると
サフや塗料の塗膜も、空気の行き来ができるミクロの穴が開いていて
水滴の遮断はできても水分と空気は遮断できないんですね。
なので現状、板金修理の防錆手段としては
- 鋼板を空気や水分から遮断できるエポキシ塗料を下地の防錆に使う
- ウオッシュプライマーやエッチングプライマーを使い、鋼板の金属面を*不動態化して防錆する(*金属表面の腐食作用に抵抗する酸化被膜が生じた状態)。後にサフを塗装。ウオッシュプライマーの上にパテはNG。
- 錆転換剤で赤錆を黒錆(酸化膜)に変え、錆の進行を遅らせる
以上が現実的な処方でしょう。
また、鋼板地金に直接パテ付けも同様、
いつか錆びます。
これも実体験済みです。
ただ、物理的にトップコートの塗膜までの厚さを稼げる分
塗膜の表面にまで異常が確認されるのに時間が稼げるのは事実です。
2~3年では錆による影響は確認できないでしょうが
10年20年となると、錆による塗膜のブリスター反応(ぷつぷつ水ぶくれ)が出ることでしょう。
パテ塗りの際、長期の防錆を考慮するのであれば
一旦上記の防錆処理を施してからパテを塗るのがベストです。
以前から、当社でバックアップ・サポートいただいている塗料メーカーさんをつかまえては、サビ対策のことを根掘り葉掘り聞きだしてきましたが、
どのメーカーさんからもズバリ「こうしてください!これやれば完璧です」といった回答をもらえないのが事実です。
それほど、錆に対しては、不確定要素が多く、保証できるようなものでもないのでしょう。
また、板金塗装の生産性をあげるのに、納車時の美観や仕上がりに関係のない防錆の工程にかかる時間を省きたいといった理由もあるかもしれません。
その塗料メーカーの塗料を使うことで、作業スピードUP、生産性や売り上げの向上に貢献することが塗料メーカーにとっても最大の目的だからです。稼がせてなんぼってことですね。確かにそりゃそうだ。
難しいんですよ。防錆やサビの扱いってのは・・・
とまぁ、たらたらえらそうに言ってますが
結論としては
意識して手をかけても
「錆びるもんは錆びる」
が20数年、実体験を通しての結論です(笑)
(もちろん錆びてないところは完璧錆びてませんw)
ただ、正しい知識で、しかもやるのとやらないのとでは
将来的に雲泥の差になることは間違いありません。
↑ここは言い切ります↑
サビは永遠のテーマなのです。
旧車乗りの方は一生サビと付き合っていきましょう(@^^)/~~~
はい、以上、うんちくんによる、車の修理における防錆処理うんちくコーナーでした。
第8話へ続く
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