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第12話 ルーフのサビ&塗膜劣化修理

サッシュの次にやった作業部位、それは

ルーフ」です。

ここもマジでやりたくないところ。

高いし手が届かない。身長167㎝のバンビのおいさんには苦行です(笑)

足場を何かしら用意しますが、踏み外したりしないか常に意識しますし

道具を取りに降りたり上がったり…地味に太ももが張ります。

また、ルーフの真ん中どころまで手を伸ばして作業するにはまあまあ前傾になるので、職人にはお約束、腰がやられます。

特にポリッシャーを使う磨き作業ではこれは顕著で

職人さんなら100%「わかる~♪」っていう反応が返ってくるはずです(笑)

クリヤー層が浮いていてますね。ひどいところは水が入っています。何らかの密着不良でおこるこの現象を業界では「層間剝離(そうかんはくり)」といいます。ホワイトパールに起きやすいトラブルです。

塗装の話をしていてこういうキーワードがポンッと出ると「おっ、こやつやりおるな。ただ者ではないな」とジャブが打てるので覚えていて損はないですよ(笑)シャブは打ってはいけません。売ってもいけません。はい。

補修方法としては、クリヤーの密着が悪いところだけが浮いているのか、クリヤー全体の密着がNGなのかによって、サフ処理をする下地の範囲は大きく変わってきます。

浮いてしまったダメなクリヤー塗膜を削り落とす作業を、しっかりクリヤーがくいついている所まで小範囲に削り落とせばいいのか、どこまで削ってもポロポロと簡単にはがれてしまい全体を高面積で削り落としていかなければいけないのかによって、作業時間も材料コストも大きく変わるということです。

残念ながらハチマルのルーフに関しては後者でした(´;ω;`)

ちまたでよく目にする、ボンネットやルーフの色あせや白クスミもこの部類の修理内容になります。はっきり言って、塗装するよりも色ハガシのほうが大変ですし、サフ塗装後の面出し作業なども大変です。

「ざっと削ってぱっと塗る」というわけにはぜんぜんいかないんですよね。

劣化塗膜補修は実はとてもめんどくさく、広範囲になりやすいためしんどい作業になります。

お客さんからすると「ええ!そんなにぃ!」という料金になりますが

現場は「えぇ!、そのぐらいしかもらえんの?」となり、なかなか手間、労力、技術、材料費、ランニングコストを含む対価としての料金にずれが生じる辛いところでもあります。

ハチマルルーフ。サビ補修も同時に施工。

ダブルアクションサンダーにペーパー#180番で異常個所をけずっていくと

ほら、サビが出てきました。クリーム色の下層のグレーが十数年前初回に全板金した時のサーフェイサーです。サフの下にまださらにサビが隠れているのがわかりますね。当時は「鋼板の地金にはサフいっとけばサビは大丈夫じゃろう」の認識だったと思います。出るんですよねぇ・・・

サビを完全に落としてから地金部分にウオッシュプライマーを塗って防錆処理します。

ウオッシュプライマーはミディアムウェットで2回塗り。これくらいでいいです。染めきらなくても大丈夫。

そして気温20度なら、20分放置後に2液のサーフェイサーを塗装します。

ウオッシュプライマーの後にはサフそれが正しい処方です。

守るべき「型」ですね。

次、パテいってますがこれマネしないでください。ウオッシュプライマーの上にパテを塗っている、これは教科書とは異なります。自己責任でやっているので今後も経過を見ていきます。なにかトラブル出るのであればどうなるか。(2年経った現在異常ありませんw)

正しい型は、ウオッシュプライマーの後は2液サフです!

なので、教科書通りで行くなら、サフの効果後にその上にパテをもれということになるのですが、パテは塗膜の上にぬってはいけない説もあり、じゃあどないせええっちゅーねんって感じです(笑)

最近では地金にパテを盛る前にウエスでさっと拭いて塗るタイプの防錆プライマーもあったりするので、その辺も業務で実際に取り入れてみないとなぁとも思っています。

面出し用あて木、ダブルアクションサンダーともに#180・#240くらいのペーパーで造形、面出し作業をします。

パテとぎのその後はひたすらペーパー#180のサンダーでルーフ全面の劣化したクリヤー塗膜を削り落としていきます。ひたすら延々と削り作業です。

簡単に全部パラパラと剥がれてくれたらいいのですが、意外に食いついてるところもあり、なかなか思ったように事は進みません。根気の勝負です。もうマシンになるしかありません(苦笑)

で、音楽と蚊取り線香がないと死にます。

そのうえ、なるべく地金を出さないように気を付けます。

#240・#320・#400とペーパーの粒度を段々と細かくしていき、次工程のサフの足付けとします。

ルーフの形状がデコボコの波板状なので何をするにもやりにくいです。

コンパクトツールEKC-100 大活躍。スイッチのモードが2種類あり、サンダーの排気に反応して自動的にスイッチがオンオフする機構があります。手元の削り粉も吸塵しながらの作業なのでかなり助かりますし、周囲への粉の飛散も明らかに違います。もちろん普通に掃除機機能としても使えます。あればめちゃくちゃ便利な道具です。

これを使わずにハチマルのルーフの作業をしたときは、周囲の床と車が粉で真っ白になって、大変迷惑をかけてしまいました(反省)

↑サフ塗装前のマスキング完了です。サフをいく前にフロントガラス周辺の重防錆を意識して、1液エポキシプライマー(グレー)を塗ることにしました。

“What a lovely day!!!”にピンときたあなた。ヒャッハー!な人ですね(笑)

みなまで言うまい、マッドマックスさんたち(笑)

わし5回観に行きました(笑)

メンズデー割引じょうずに使って(笑)

仕事終わり、ツナギのまま(笑)

ひとりぼっちで(笑)

帰りの運転ハチマルで、50㎞走行で前走るアルトをひいてやりたくなりました(笑)

いけない映画です。

ライブ感ハンパない。

スイッチはいっちゃう。

元気しか出ない。

バンビのおっさん(笑)

人畜無害

おっと脱線・・・

1液エポキシプライマー。ゴムモール周辺のサビはお約束です。防錆は意識しておきたいところです。ルーフの他の地金が出たところもついでに塗っておきました。

乾燥、硬化後、#500ペーパーで軽く空研ぎしてからサフ塗装に入りました。

サーフェイサーに特化したガンを使うと広い面積をサフ塗装するのにかなり時間短縮できます。サフは3,4回(周)塗っています。ちなみに車体色に合わせて、塗装が少しでも楽になるように、染まりやすい白色のサフを使用しました。

サフ専用ガンは膜厚がつきやすいようにパターンがやや絞り気味で、塗料がドバッと出るので、スプレーによるしましまのうねり面にならないように意識して塗装していきます、一応。

どうせこんな高所の「面」なんか誰も見ませんが(笑)

なんでもそう、割り切りは大切です。

  

第13話へ続く

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